ゲームの概要
基本情報
- ジャンル:非対称型戦略ボードゲーム
- デザイナー:コール・ウェアレ(Cole Wehrle)
- プレイ人数:2~4人(拡張で最大6人まで可能)
- プレイ時間:60~90分
- 対象年齢:10歳以上
- 発売年:2018年
- 出版社:Leder Games
- 受賞歴:2020年 ゴールデンギーク賞 ベストテーマ部門 受賞
ゲームの目的
プレイヤーは各派閥(種族)になり森の支配権を争うゲームです。ゲームの勝利条件はそれぞれ異なる方法で勝利点30ポイントを目指します。
また特殊カード圧倒カードをしようすることで特殊な勝利条件で勝利を目指すゲームです。
このゲームの特徴はゲームの内のかわいい兵士トークとは裏腹に相手プレイヤーをバチバチに殴り合う戦争ゲームをイメージするとわかりやすいと思います。
ゲームの流れ
1.各派閥の紹介
はじめに:ROOTは非対称型ゲーム!
ROOTでは、プレイヤーごとに担当する派閥が異なり、それぞれ全く違う能力・進行・勝利条件を持っています。まずは、基本セットに登場する4つの派閥の特徴とゲーム開始時の状況を紹介します。
🐱 猫の侯国(Marquise de Cat)
特徴:盤面制圧&生産力で勝つ“支配者”
- マップ全域を支配している状態からスタート
- 建築(製材所・工房・募兵所)で軍事力&資源を整える
- 毎ターン「アクションポイント」を使って軍備や建築を拡大
開始時の状況:
ほとんどの広場に兵を配置済み。すでに支配しており、防衛や建築がしやすい。
🦅 鷲巣王朝(Eyrie Dynasties)
特徴:機械のように動く“旧支配者”
- かつて支配していた森を取り戻そうとしている
- 「勅令」にしたがって毎ターン必ず行動
- 命令がこなせないと“政変”が起きて得点がリセットされるリスクも
開始時の状況:
森の片隅からスタート。兵力は少ないが、命令が噛み合えば爆発的な展開力がある。
🌿 森林連合(Woodland Alliance)
特徴:ゲリラ活動で革命を起こす“反乱勢力”
- 初期兵力はゼロ。だが、森の住民の不満を利用して反乱を起こす
- 支配エリアが少なくても、広場に支持を広げていくことで大きな反撃が可能
- “支持トークン”を集めて蜂起し、少数精鋭で支配を拡大する
開始時の状況:
兵はいないが、「支持トークン」を配置することで後に一気に蜂起できる。
反乱を行えば広場内のすべての建物・兵士を排除できる。
🧭 放浪部族(Vagabond)
特徴:1人旅の“自由人”でクエスト&交易で得点
- 単独で行動し、戦闘よりも探索やアイテム獲得が得意
- 他派閥と関係を築くことで味方にも敵にもなる
- アイテムを使って行動するため、戦闘力は限定的
開始時の状況:
森の中を1人で移動。最初から遺跡を探索してアイテムを獲得できる。
2.ゲームの進行(基本ルール)
ROOTでは、各プレイヤーが順番に自分のターンを行い、30点の得点を先に獲得したプレイヤーが勝利します。
ただし、ROOTの最大の特徴は「各派閥ごとにルールや勝ち筋がまったく異なる」という点です。
🕒 ターンの基本構成(共通)
すべての派閥は、自分のターン中に以下の3つのフェイズを順番に行います:
🌅 鳥歌フェイズ(Birdsong)
- 派閥固有の準備フェイズ。自動で処理されることが多い
- 特定の派閥では、このフェイズで重要なアクションを行うことも
☀️ 昼光フェイズ(Daylight)
- メインの行動フェイズ。移動・戦闘・クラフト・カード使用などを行う
- 派閥によって使えるアクションの種類や数が異なる
🌙 夕闇フェイズ(Evening)
- 手札の補充やユニットの整理、アイテムの使用などを行い、次のターンに備える
派閥によって、この流れの使い方や影響力の出し方がまったく違うのがROOTの魅力です。
たとえば…
- 「猫の侯国」は多くのアクションを行える分、盤面全体を管理する必要があります。
- 「放浪部族」は一人で慎重に動きながら、他の派閥と駆け引きを重ねて得点していきます。
といった感じです。
共通ルールでできること
ROOTでは、派閥ごとにルールや能力は異なりますが、すべての派閥が**「カードのクラフト」「移動」「戦闘」**といった共通アクションを使って森を支配しようとします。
✅ クラフト
アイテムや特殊能力カードをクラフト(製作)して、得点やアドバンテージを得る。
→ 各派閥のクラフト条件や得られる効果はカードによって異なる。
✅ 移動
自軍のコマを他のエリアへ移動する。支配のルールに従って動ける場所が決まる。
✅ 戦闘
他プレイヤーと同じエリアにいれば戦闘ができる。サイコロを振ってダメージを与え、相手のコマを除去。
✅ 支配
あるエリアにおいて、最も多くの建物やコマを持っている派閥がそのエリアを「支配」していることになる。一部の行動や能力は、支配しているかどうかで使えるかが変わる。
ROOTに登場する4つの勢力を紹介【基本セット】
猫の侯国(Marquise de Cat) 初心者向けだけど奥が深い盤面制圧勢力

序盤から森のほとんどを支配してスタートする、いかにも「初心者向け」と言われる勢力です。確かにルールはシンプルで動きやすいのですが、実際にプレイしてみると「勝ち切るのは意外と難しい」と感じました。相手から狙われやすいポジションなので、防衛線の管理や資源のやりくりが雑だとジリジリと押し込まれてしまいます。終盤までしっかり盤面を維持できるかが勝負のカギです。
筆者のひとこと:
序盤の「強者感」はめちゃくちゃ楽しいんですが、そのぶん他の勢力から総攻撃を受けやすいのがつらいところ。最後まで守り切って勝つには、思ったよりも繊細な立ち回りが必要だなと感じました。
鷲巣王朝(Eyrie Dynasties)内乱必至!爆発力と不安定さが魅力の勢力

勅令(ちょくれい)によって毎ターンの行動がどんどん縛られていく勢力です。序盤は得点の伸びも早く、勢いに乗るととても強力ですが、その反面「内乱(崩壊)」は避けられない宿命のようなもの。むしろ、どこで内乱を起こすか、そして崩壊した後にどう立て直すかまで含めて戦略を考えるのが鷲巣王朝の面白さだと感じました。爆発力と不安定さを両方楽しめる勢力です。
筆者のひとこと:
鷲巣王朝は、勅令が増えるほど強くなるけど、そのぶん動きが縛られていきます。実際にプレイしてみると、「内乱」はいずれ必ず起きるものだと感じました。だからこそ、“どのタイミングで内乱を起こすか”がこの勢力の鍵かもしれません。
森林連合(Woodland Alliance)反乱で盤面を荒らすゲリラ勢力

序盤は兵力ゼロで「本当にこれ勝てるの?」って思ってしまう勢力。でも、じわじわと支持トークンを広げておいて、相手が油断してる間に準備完了。そこからの蜂起(反乱)は本当に強力で、一気に盤面を荒らすことができます。前半は存在感が薄いぶん、後半に爆発した時のインパクトが大きい勢力です。
筆者のひとこと:
僕は何度か挑戦してるけど、まだ一度も勝ててません…!
でも、うまくハマった時の「裏から支配してた感」はクセになりそう。次こそ勝ってみたい勢力です。
放浪部族(Vagabond)後半に一気に得点を伸ばす逆転型の特殊勢力

1人で森を冒険しながら、アイテムを集めたり、クエストをこなしたりして得点を伸ばす特殊な勢力です。序盤は他の勢力とあまりぶつかり合わず、静かに準備を進めていきますが、終盤に入ると一気に得点を伸ばして勝利を狙います。孤独感や一匹狼感が強いプレイ感覚が特徴で、他の勢力と距離を取りつつ、時には友好、時には敵対しながら立ち回るのが魅力です。
筆者のひとこと:
この勢力をやってみて思ったのは、前半はうまく立ち回ってあまり得点を稼がずに静かに準備を進め、後半に大量得点で一気に逆転するという爽快感がとても楽しいところです。相手に警戒されすぎないように存在感を調整しながら、自分のタイミングで一気に勝負を決めるのがこの勢力の醍醐味だと感じました。
ROOTの拡張セットを紹介【追加勢力・新要素まとめ】
拡張セットの発売順&追加勢力
拡張セット名 | 日本発売日 | 追加勢力 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
さざめく河のけだもの軍記 | 2021年10月14日 | 蜥蜴教団 | 宗教をモチーフにした派閥。行動に制約が多いが強力な効果を持つ。 |
河民商会 | 商業をテーマにした交渉型派閥。 | ||
ダブル放浪 | 新たな冒険者キャラクターが追加。 | ||
メカ野侯国 | ソロプレイや仮想プレイヤー用のAI派閥。 | ||
そびえる山のいきもの乱記 | 2021年10月14日 | 地底公領 | 地下から侵略を目指す政治型派閥。 |
黒烏結社 | 秘密工作と陰謀を駆使する派閥。 | ||
みはてぬ宝のあらもの騒記 | 2024年1月18日 | 百獣王国 | ネズミの軍団による戦闘型派閥。 |
甲鉄衛団 | 遺物収集を目指すイタチ型騎士派閥。 | ||
傭兵隊ルール | プレイヤーに協力する第三勢力が登場。 |