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兵馬俑とは?
『兵馬俑(Terracotta Army)』は、古代中国・秦の始皇帝の陵墓をテーマにしたボードゲームです。
プレイヤーは宮廷の職人となり、粘土を集めて兵馬俑を作り、陵墓に並べることで栄誉を競います。
本作の特徴は、
- ワーカープレイスメント(職人コマを配置してアクションを選ぶ)
- エリアマジョリティ(陵墓エリアにより多く兵馬俑を配置した人が得点を得る)
という2つの要素を組み合わせた戦略性。
さらに、完成度の高い兵馬俑のミニチュアがゲーム盤上に並んでいくため、見た目の迫力も大きな魅力です。
- プレイ人数:1〜4人
- プレイ時間:90〜120分
- 対象年齢:14歳以上
- ジャンル:ワーカープレイスメント+エリアマジョリティ
歴史ロマンと戦略ゲームの両方を楽しめる、中重量級の作品です。
コンポーネント紹介
『兵馬俑(Terracotta Army)』には、豪華なコンポーネントが多数含まれています。
特に兵馬俑のミニチュアは種類も豊富で、盤面にずらりと並んだときの迫力は圧巻です。

- ゲーム盤
「アクションホイール」が配置され、ワーカーを置くことで行動を選びます。
陵墓エリアは兵馬俑を配置して得点を競う場になります。 - 職人コマ(ワーカー)
アクションホイールに配置して行動を選ぶための駒。行動回数を決める重要な要素です。 - 資源トークン
・粘土(兵馬俑を作るために必要)
・コイン(アクションや特殊効果で使用) - 兵馬俑ミニチュア
ゲームの主役となるコマ。種類ごとに形状が異なります。 - 武官俑コマ
- 射手俑コマ
- 軍吏俑コマ
- 武士俑コマ

- 得点マーカー/ラウンド表示トークン
得点計算やゲーム進行を管理するためのもの。
補足要素
上記のほかに、ゲームをさらに奥深くする要素として
- 百戯俑コマ(特別な能力や得点をもたらす駒)
- 特殊タイル類(行動や資源を強化する効果を持つ)
なども用意されています。
初心者の方はまず基本の兵馬俑とアクションに慣れ、その後でこうした要素を楽しむと理解しやすいでしょう。
コンポーネントが盤上に並んでいくことで、始皇帝の陵墓が少しずつ完成していく臨場感を味わえるのが本作の魅力です。
ゲームの準備
『兵馬俑(Terracotta Army)』をプレイする前に、以下の手順で準備を行います。
- ゲーム盤の設置
ゲームボードをテーブル中央に配置します。
アクションホイールを組み立ててセットし、アクションリングを差し込みます。 - 共通サプライの準備
粘土トークンとコインをゲームボードの所定位置に置きます。 - 倉庫タイルの配置
倉庫ボードの4つの区画に、それぞれ裏返しの粘土タイル1枚を配置します(乾いた面を上にして置く)。 - アクションホイールの初期化
アクションリングにアクションスペースを配置し、位置をランダムに決定します。 - 得点タイルの配置
得点タイルを5枚選び、ラウンドトラック上の指定マスに1枚ずつ配置します。 - ラウンドマーカーの配置
ラウンドトラックの「1」の位置にラウンドマーカーを置きます。 - 御史コマの配置
2つの御史コマをそれぞれ初期位置に置きます。1つは御史トラック、もう1つは陵墓ボードに配置します。 - 陵墓ボードの準備
陵墓の枠となる兵士俑設置所をボード端にセットします。 - 百戯俑コマの準備
楽士俑・歩兵俑・跪射俑・馬俑をそれぞれ所定の位置に配置します。 - 優先順トークンの配置
プレイ人数に応じて必要な枚数を優先順トラックに置きます。 - プレイヤー用コンポーネントの配布
各プレイヤーは以下を受け取ります:- 権威トークン:6枚
- 兵士俑の土台:15個
- 職人コマ:5個
- 名工コマ:1個
- 得点マーカー:1個
- ターン順マーカー:1個
- スタートプレイヤーの決定
各プレイヤーはターン順マーカーを受け取り、初期のターン順を決定します。 - 名工コマの配置
各プレイヤーの名工コマを共通サプライの所定位置に置きます。 - 得点マーカーの配置
各プレイヤーの得点マーカーを得点トラックの「0」に置きます。 - スタートプレイヤー補正
2番手以降のプレイヤーは、ルールに従って追加の粘土やコインを受け取ります。 - 最終確認
すべてのコンポーネントが配置され、初期資源が配られたら準備完了です。
始皇帝の陵墓を築き上げる戦いの幕が上がります。
ゲームの流れ
『兵馬俑(Terracotta Army)』は 全5ラウンド で進行します。
各ラウンドは以下の順番で進みます。
- アクションフェイズ
プレイヤーが順番にワーカーを配置してアクションを実行します。
アクションの詳細は後述します。 - 得点フェイズ
陵墓エリアの状況に応じて、兵馬俑や百戯俑から勝利点を獲得します。 - 終了フェイズ
優先順トークンの処理や粘土の乾燥、御史コマの移動などを行い、次のラウンドに進みます。
この流れを5ラウンド繰り返した後、最終得点計算を行い、もっとも多く勝利点を獲得したプレイヤーが勝者となります。
アクションフェイズ
アクションフェイズでは、各プレイヤーが順番にワーカーを配置し、アクションを実行します。

流れは次の通りです。
- リングの回転(任意)
コインを支払えば、アクションホイールのリングを回転させることができます。
これにより、実行可能なアクションの組み合わせを調整できます。 - ワーカーの配置(必須)
自分のワーカーをアクションホイールに配置します。
どのリングに置くかで、選べるアクションが変わります。 - リングアクションの実行(任意)
ワーカーを置いた位置に応じて、リングに描かれたアクションを1つ実行します。 実行できるアクションは以下の通りです。
- コインを得る
- 粘土を獲得する(湿った粘土を倉庫から取る)
- 粘土を乾燥させる(湿った粘土を乾いた粘土に裏返す)
- 兵士俑コマを建設し、陵墓に配置する
- 職人を名工に昇格させる
- 優先順トークンを得る
- 武器トークンを獲得する
- 百戯俑コマを建設し、陵墓に配置する
アクションホイールにワーカーを配置したら、そのアクションを実行して自分の手番は終了します。
得点フェイズ
アクションフェイズが終わると、各ラウンドの得点計算を行います。
得点フェイズで入る得点は次の3種類です。
1. 御史の得点
陵墓ボードに配置された御史コマがある 段 を確認します。
その段で最も多くの兵士俑を持つプレイヤーが 7点 を獲得します。
さらに、その段に兵士俑コマを置いている他のプレイヤーも 3点 を獲得します。
2. 楽士俑の得点
楽士俑は、配置されている 列 と 段 に基づいて得点を発生させます。
配置状況によって加点されるため、兵士俑と組み合わせることで効果が大きくなります。
3. 得点タイルの得点
ラウンドごとに設定された得点タイルの条件を確認します。
条件を満たしているプレイヤーは追加の勝利点を獲得します。
これらの処理が終わったら、次は終了フェイズに進みます。
終了フェイズ
得点フェイズが終わったら、ラウンドの最後に終了フェイズを行います。
次ラウンドに向けて以下の処理を進めます。
優先順トークンの処理
優先順トークンを持つプレイヤーに基づき、次ラウンドのターン順を決定します。
- 「1」を持つプレイヤーが1番手
- 「2」を持つプレイヤーが2番手
- 「3」を持つプレイヤーが3番手
- 優先順トークンを持たないプレイヤーは最後の手番
湿った粘土の乾燥
自分の倉庫にある湿った粘土をすべて乾いた粘土に裏返します。

権威による収入
各プレイヤーは、自分の持つ権威に該当する収入を得ます。
ワーカーの回収
このラウンドでアクションホイールに置いた職人コマ・名工コマをすべて手元に戻します。
アクションホイールの回転
- 内側リングを時計回りに1マス回転
- 中間リングを反時計回りに1マス回転
ラウンドマーカーの前進
ラウンドマーカーを次に進め、次ラウンドを開始します。
ゲーム終了と最終得点計算
『兵馬俑(Terracotta Army)』は 第5ラウンドの終了フェイズ を終えたらゲーム終了です。
その後、最終得点計算を行い、合計得点が最も高いプレイヤーが勝者となります。
区域ごとの多数派得点
陵墓は複数の区域に分かれています。
各区域で、配置された兵士俑の数を比べ、支配しているプレイヤーが勝利点を獲得します。
- 最多プレイヤー:8ポイント獲得
- 影響力(その区域に兵士俑コマを配置している)を持つ他のプレイヤー:2ポイント獲得
兵士俑のグループ得点
隣接して繋がった兵士俑のグループごとに得点を計算します。

跪射俑による得点
各跪射俑が向いているマスにある兵士俑を所有しているプレイヤーは、1体につき2ポイント を獲得します。
粘土・コインによる得点
ゲーム終了時に余っている粘土とコインを合計します。
2枚につき1勝利点 を獲得します。
合計と勝者
ラウンド中に得た得点と、最終得点計算での得点を合計します。
最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝者です。
まとめ
『兵馬俑(Terracotta Army)』は、始皇帝の陵墓を舞台に、職人たちが力を尽くして兵馬俑を築き上げる壮大なテーマのボードゲームです。
- ワーカープレイスメント でアクションを選び、資源を集める
- 兵士俑や百戯俑の配置 によって陵墓を完成させ、得点を競う
- 多数派やグループ得点 など、最終的な得点方法も多彩
ルール自体はしっかりしていて中重量級ですが、コンポーネントの迫力と戦略性の両方が楽しめるのが魅力です。
初心者おすすめ度
- ボードゲーム初心者:★★☆☆☆(やや難しい)
- 中級者以上:★★★★☆(戦略性が高く満足度大)
「見た目の豪華さ」と「考える楽しさ」を兼ね備えたゲームなので、
- 重めのボードゲームが好きな人
- ワーカープレイスメントが得意な人
- 歴史テーマに惹かれる人
には特におすすめです!
粘土を集め、兵馬俑を築き、始皇帝の陵墓を完成させる達成感をぜひ味わってみてください。
