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ROOT攻略:鷲巣王朝 編― 命令構成で広がる、内乱に揺れる軍事勢力 ―

はじめに

鷲巣王朝は、勅令(命令カード)を使って毎ターン自動的に行動する「プログラム型勢力」です。
軍事力・建築力ともに優れ、序盤から広場を支配しながら止まり木を建設して得点を稼いでいきます。

ただし、命令処理に失敗すると「内乱」が発生し、構築した命令が崩壊してしまうという独特なリスクを抱えています。
構成の拡張と安定性の維持、そのバランスをどう取るかがこの勢力最大のテーマです。

鷲巣王朝の特徴と勝ち筋

  • 勅令で命令を積み上げ、それを順番に処理して行動する勢力。
  • 広場を支配して止まり木(建物)を建てることで、毎ターン得点を得る。
  • 命令の構成が強力になるほど処理難度が上がり、失敗すれば内乱で崩壊する。

止まり木タイルの建設による得点が中心で、
盤面全体に広く影響を与える拡大系の軍事勢力です。

鷲巣王朝の立ち回りと意識したいポイント

  • 勅令に追加できる命令カードは、鳥カードのみなら1枚まで、鳥以外のカードを含む場合は最大2枚まで追加できる。
  • 毎ターンすべての命令を処理しなければならないため、「広場のマークが偏る」構成や「実行できない命令」は避けることが重要。
  • 募兵、移動、戦闘、建築の命令をバランスよく構成するのが安定のカギ。
  • 君主の能力や止まり木の配置も意識して、命令が失敗しないルートを整えておく。

中盤以降は止まり木が増え、夕闇フェイズでのドロー枚数も増えていくため、
「いまは増やさない」「そろそろ攻め時」といった判断力が問われます。

鷲巣王朝のターン構成と基本の動き

ROOTでは、すべての勢力が以下の3つのフェイズでターンを進行します。

  • 🐦 鳥歌フェイズ(朝)
  • ☀️ 昼光フェイズ(昼)
  • 🌙 夕闇フェイズ(夜)

鷲巣王朝はこの3フェイズの中で、特に鳥歌フェイズと昼光フェイズの動きが非常に特徴的です。
ここでは、各フェイズで何を行うのかを順に見ていきましょう。


鳥歌フェイズ(朝)

  • フェイズの冒頭で、手札から最大2枚まで命令カードを勅令に追加します。
     追加できるのは、いわゆる「動物カード(ウサギ・ネズミ・キツネのいずれか)」と「鳥カード(ワイルドカード)」です。
  • 動物カードは2枚とも追加してもOKです。
     鳥カードは1枚までしか追加できませんが、動物カード1枚+鳥カード1枚という組み合わせなら2枚追加可能です。
     ※鳥カード2枚を同時に追加することはできません。
  • 追加する項目(募兵・移動・戦闘・建築)は自由に選べます。
     同じ項目に複数枚追加して、同じ行動を強化することも可能です。
  • その後、勅令に従って、命令を【募兵 → 移動 → 戦闘 → 建築】の順にすべて実行します。
     命令カード1枚につき、指定された行動を必ず1回実行しなければなりません。
  • 命令を1つでも実行できなかった場合、“内乱”が発生し、それまで積み重ねた命令はすべて破棄されます。
     内乱が発生した場合、鳥歌フェイズの残りの処理を行わず、直ちに夕闇フェイズへ移行します。

※命令カードに描かれている「マーク」にも注意が必要です。

  • 鳥カード(ワイルドカード)は、どのマークの広場でも行動可能です。
     例えば「鳥の募兵カード」なら、止まり木のあるすべての広場のどこかで募兵すればOKです。
  • 一方で、動物カード(ウサギ・ネズミ・キツネ)は、そのマークが付いた広場でのみ行動しなければなりません。
     例:キツネの戦闘カード → キツネマークのある広場で戦闘が必ず1回必要です。
  • 鳥カードは非常に柔軟に使える便利なカードですが、内乱が発生したときには、鳥カード1枚につき1点のVPを失います。
     便利な反面、内乱時のリスクが大きいため、使いどころには注意が必要です。

昼光フェイズ(昼)

  • このフェイズでは、鳥歌フェイズで追加された命令カード(勅令)に従って行動を実行します。
     【募兵 → 移動 → 戦闘 → 建築】の順に、項目ごとにカード1枚につき1回ずつ、
     指定された行動を必ず実行しなければなりません。
  • また、手札からクラフトを行うことも可能です。
     ただし鷲巣王朝はクラフトによって得られるVPがすべて1点に固定されるため、
     得点目的ではなく、効果目的で使用することが主な使い方になります。

夕闇フェイズ(夜)

  • カードを引く:「1枚+止まり木タイルの数」に応じて手札を補充します。
  • 手札が6枚以上になった場合、5枚になるように捨て札にします。
  • 止まり木タイルの数に応じて、得点処理を行います(止まり木1枚につき1点)。

※鳥歌フェイズで「内乱」が発生した場合は、そのフェイズを即終了し、
 そのターンはそのまま夕闇フェイズに移行して処理を続けます(ターン終了ではありません)

勅令と内乱リスク

勅令に追加した命令は、毎ターン必ずすべて実行しなければなりません。
実行できなかった命令が1つでもあると“内乱”が発生し、すべての命令カードが破棄され、君主も交代となります。

戦闘や建設など、盤面の状況に左右されやすい命令も多いため、
確実に処理できる構成を維持する判断力が常に求められます。

鷲巣王朝には次のような特性があります:

  • 支配ルールの優遇
     → 広場に自分と相手のコマ数が同数の場合でも、鷲巣王朝が支配者として扱われます。
     そのため、支配が崩れにくく、止まり木を守りやすいという利点があります。
  • 内乱の影響が大きい
     → 内乱が発生すると、すべての命令カードを破棄し、君主も交代。
     再構築には数ターンを要するため、構成の安定性を重視する必要があります。

無理のない命令を選び、支配を維持しながら命令を実行し続けること。
それこそが、鷲巣王朝を勝利に導くための最大のポイントです。

君主の能力と選び方

鷲巣王朝では、ゲーム開始時に「君主カード」を1枚選び、その能力を活用してプレイしていきます。
君主によって得意な行動や初期配置が異なるため、戦略の方向性が大きく左右されます。

また、ゲーム中に「内乱」が発生すると、現在の君主は破棄され、新たな君主に交代することになります。

君主一覧と特徴

君主名特徴・能力概要
フクロウ(ミミズク)【司令官】戦闘時に追加ヒットを与える能力。移動と戦闘が「忠臣」カードの初期配置。軍事型のアグレッシブな君主。
ワシ【カリスマ】募兵と戦闘を得意とする軍事型。兵力増強と前線の維持に優れる。移動命令の補助が必要。
キツツキ【建設者】募兵と移動に強い内政型。広場の確保とクラフトによる追加得点に向く、盤面コントロール型の君主。
ハゲタカ【独裁者】移動と建設に長ける拡大型。支配広場と止まり木の数を稼ぎやすく、クラフト得点も狙えるが、戦闘力はやや劣る。

君主選びのポイント

  • 各君主は「忠臣」カードの初期配置が異なり、それぞれ行動の幅や得意な勝ち筋が変化します。
  • 勅令エリアで行動を積み上げていく鷲巣王朝では、君主の能力がプレイ全体に大きな影響を与えます。
  • 「どの命令を得意とするか」「どの行動を序盤から安定させるか」を基準に選ぶのがコツです。

君主制とカードプロットシステムの組み合わせが、鷲巣王朝のプレイ感を他の勢力とは一線を画すものにしています。
それぞれの君主の特性を把握し、状況に応じた選択を行うことで、王朝の可能性はさらに広がります。

まとめ表+筆者のひとこと

項目内容
勢力の特徴勅令による命令処理が特徴のプログラム型勢力。支配と建築を軸に得点を稼ぐ。
勝ち筋広場を支配し、止まり木を建設して毎ターン得点。安定した構成を保つことが重要。
弱点命令を1つでも失敗すると“内乱”で構成が崩壊。再構築まで数ターン必要で立て直しに時間がかかる。
修復・修理特別な損傷や疲弊はないが、命令構成の維持が唯一の防御手段。
相性初級よりやや中級者向け。命令構成の管理と判断を楽しめる人向け。
キーポイント君主選び・命令の色バランス・支配の維持・内乱の回避。

最初は命令をどんどん増やしたくなりますが、必ずどこかで内乱が訪れます。
それを見越して、強化のタイミングや崩れても立て直しやすい構成にしておくのが上達の第一歩です。
内乱は“避けるもの”ではなく、“起こるもの”として捉え、あえて内乱を起こすことも戦略に組み込めると、プレイの幅が一気に広がります。